第1話

2/2
前へ
/2ページ
次へ
それは、ちいさなちいさな内緒の冒険。 「壁の外に出てはいけないよ。」 「わかっているわ、お父様。」 約束を破ったわたし。これじゃあ、あの悪ガキ共と同じだわ。 ママが選んでくれたかわいいヒールを部屋の隅へ放り投げて、パパが見繕ってくれたお上品なドレスを破り捨てて。 窓を叩き割ると、視界に映るのは透き通る鮮やかな青。まっしろな鳥が気持ちよさそうに大空を舞い、自由を謳歌している。 わたしの見る世界のどれもが白く照る高い壁の上にあった。 わたしは行くの、あの壁の向こう側へ。 わたしを救い出すと約束した、3人の悪ガキのもとへ。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加