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…いや、本当は、分かっていた。
無理矢理、心の奥底に仕舞い込んでいた想い。
こうなることを、期待していた。
だから、こうやって、ヨシと逢っているんだ。
ただの報告だけだったら、逢う必要なんて無い。
わたしは、彼を求めていたんだ。
独りで歩む、なんて強がっていたけど。
本当は、彼と一緒に、歩んで行きたいと思っていたんだ。
狡い女。
だけど、それが、本当のわたし。
ヨシの想いを確かめたかった。
どれだけ、わたしを想っているのか。
どれだけ、わたしを大切にしてくれるか…。
いや、違う。
それは、ただの言い訳。
―――わたしは、ヨシが必要。
そう、真実は、それだけ。
彼の答えを受け入れる様に。
立ち上がり、彼の身体を抱き締める。
―――自分に正直になるって決めたじゃない。
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