歓迎会

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夜七時。 「皆さん集まったところで、部長、乾杯の挨拶、お願いします。」 幹事である鈴木さんに言われ、部長が、えへんと咳払いをし、話を始める。 「じゃ、まぁ手短に。 和田君が我社に入ったことで、新しい風が吹き込みました。 その風をうまく生かして、震災後、激減したお客様を取り戻すよう、みんなで、力を合わせて頑張っていきましょう。 乾杯!」 「乾杯!!」 チン。 各々のグラスを合わせる。 小気味音が響き、みんな、グビっと一口、酒を飲む。 パチパチパチ。 一旦、グラスを置き、拍手する。 歓迎会開始、だ。 その音を聞きつけ、店員さんが、鍋に火を点けに来た。 和田さんの席は、わたしの斜め向かい。その隣には、ちゃっかり鈴木さんが座っていた。
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