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瑞樹と瀬奈はとあるカフェにやって来た。
「ご注文はお決まりですか?」
若い女性店員がオーダーを聞きに来た。
「そうだな…コーヒーで。」
「私もコーヒーでお願いします。」
「かしこまりました。少々お待ち下さい。」
オーダーを聞き終えると、店員はカウンターに向かった。
「そういや、瀬奈はもうすぐ司法試験受けるんだったな?」
瀬奈は、弁護士になるために現在勉強中である。
「うん、でも結構問題が難しくて…」
瀬奈は自分のカバンから司法試験に向けての問題集を取り出し、瑞樹に渡した。
「あんまり自信ないんだよね…」
「何言ってんだよ。瀬奈なら大丈夫だよ。」
「だといいけど…」
すると、瑞樹は少し落ち込んだ表情になった。
「いいよな…夢があるって…」
「瑞樹だって何か夢ないの?」
「ねぇよ…生まれて来て今まで、何の夢やちっちゃな目標すら持たずに、ただ周りに流されるままに生きて来た…その方が楽だったから…」
「で…でも、大学に通ってるんだからきっとやりたい事見つかるよ!!」
瀬奈は少し焦りながら瑞樹をフォローした。
「今じゃその大学に来た意味さえも、よくわかんなくなっちまった…」
「瑞樹…」
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