第1話 シノビ変身

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瑞樹と瀬奈はとあるカフェにやって来た。 「ご注文はお決まりですか?」 若い女性店員がオーダーを聞きに来た。 「そうだな…コーヒーで。」 「私もコーヒーでお願いします。」 「かしこまりました。少々お待ち下さい。」 オーダーを聞き終えると、店員はカウンターに向かった。 「そういや、瀬奈はもうすぐ司法試験受けるんだったな?」 瀬奈は、弁護士になるために現在勉強中である。 「うん、でも結構問題が難しくて…」 瀬奈は自分のカバンから司法試験に向けての問題集を取り出し、瑞樹に渡した。 「あんまり自信ないんだよね…」 「何言ってんだよ。瀬奈なら大丈夫だよ。」 「だといいけど…」 すると、瑞樹は少し落ち込んだ表情になった。 「いいよな…夢があるって…」 「瑞樹だって何か夢ないの?」 「ねぇよ…生まれて来て今まで、何の夢やちっちゃな目標すら持たずに、ただ周りに流されるままに生きて来た…その方が楽だったから…」 「で…でも、大学に通ってるんだからきっとやりたい事見つかるよ!!」 瀬奈は少し焦りながら瑞樹をフォローした。 「今じゃその大学に来た意味さえも、よくわかんなくなっちまった…」 「瑞樹…」
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