ＷＩＬＬ

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こどもの頃には、ＳＮＳは『出会い系』だと囁かれていた気がする。
キッズ携帯を卒業した時から、両親からは厳しく禁じられていた。

それが今となっては、リア友同士の繋がりを深め広げるツールと変わりつつあり、使っていない人の方が珍しい。
ちょっとした日常の出来事を呟いたり、グループチャットしたり。

そんなごく当たり前のコミュニケーションツールに変貌を遂げたＳＮＳに、私もいくつか登録していた。

ユーザー情報は引き継げなかったけれど、それらのサイトにもう一度登録して前のアカウントを辿れば、失った電話帳リストの大部分は取り戻せるだろう。

なのに今、わざわざリア友のいないＳＮＳにアカウントを作成した。

今日の出来事を誰かに吐き出したい、にも関わらず、吐き出したモノを、書いたのが『私』だと認識している不特定多数のリア友に見られるのが嫌だったからだ。

起こったことは事実で、誰かに聞いてもらいたいのに。
それを読んだ誰か――私や圭輔の知り合いが、圭輔を中傷するのは何でか嫌だった。

それに今まで使っていたＳＮＳからリア友を辿ったら、芋づる式に圭輔と繋がりそうで。
そうしちゃいけない、気がした。

ケータイなんかに頼らないで、直接会いに来なさいよ！
て、強がりなのか、ただの意地なのか。

それとも、私は。
圭輔を、試しているのか。