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俺は、ゴクリと喉を鳴らした。
前嶋くん…だよね。
そいつの名前を心の中で確認した。
一歩、一歩とそいつに近付く。
確かに話しかけにくい…気がする。
何かもやもやっとした雰囲気がある。
それでも、俺は話し掛けることを止めようとは思わなかった。
むしろ、話し掛けたい気持ちが増した。
俺は、小さく深呼吸した。
「ま、前嶋くん。僕、栗原友樹です。一緒に遊ぼう」
若干…いや、かなり声が震えていただろう。
それでも、こいつにはどうでも良かった。
俺の声を聞いた途端、ハッと顔を上げた。
目を丸くしてこちらを見た。
「え、いいの?」
嬉しいけれど、少し戸惑ったような…そんな声調子で言った。
俺はその光景がなんだか、おかしくて自然と笑みが出て、
「うん、もちろんだよ」
と、言った。
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