春を待ち侘びる

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「みんな、久しぶり!」 扉を開けて入ってきたのは、スノーボードシーズンの真っ只中にこの地を去ってしまった彼らだ。 「斗真!真乃ちゃん!」 彼らと会うのは3ヶ月ぶりなはず。 それなのに、つい昨日も一緒に遊んでいたような感覚に陥るのはどうしてなのだろう。 「うわ! 真之介、めっちゃ髪生えてる!」 みぃちゃんを抱きながら、豊は真乃ちゃんが抱く乳児の方へ近付いていった。 「もうすぐ5ヶ月だもの。 最初は斗真に似て薄毛だったらどうしようって心配したけど・・・。 ちゃんと生えてきてくれて良かったわ!」 そう笑いながら話す真乃ちゃんに、斗真は「おいっ!」と言って彼女を睨む。 どうやら斗真は、すっかり真乃ちゃんの尻に敷かれているようだ。
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