春を待ち侘びる

8/12
前へ
/33ページ
次へ
「ってか、お前らさぁ・・・。 真之介を連れながらフェリーで来るなんて、ちょっと無茶だったんじゃねぇか!?」 斗真の腰のベルトに掛かっている車のキーを見て、豊が呆れた表情を浮かべる。 「いやぁ、車があった方が断然動きやすいもの。 ここに来るための電車賃や手間を考えれば、フェリーの方が総合的に見て何かと好都合だったって事よ。」 頭のいい斗真は何事も合理的に考える。 しかし実家に戻り経済的に少し楽になったとは言え、まだまだ彼の貧乏根性は抜けきっていないようだ。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加