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さて、商談成立。
今日は、ついてるかも。
2件目の売買契約を取り付け、私、中村美香はホクホクだった。
ファミリーカー一台に、セダンタイプの高級車一台。
都内に数店舗を持つ中古自動車販売店に勤める私は、女性では少ない販売員をしていた。
今日、販売にこぎつけた二件とも2回目の来店で、契約にこぎつけた。
1回目は、その顧客に合った車の良さだけをとことん伝えて、家に帰りじっくり相談してもらって、2回目の来店を待つ。
その粘りが実を結んだ形だった。
顧客にとって車というのは、パートナーを選ぶようなものだ。
運転する人や、その家族に快適な時間を提供する大事なアイテムなのだ。
若い新婚さんには、車のファッション性能もだが、家族が増えることを考え機能性も重視しなきゃいけない。
生活シーンに合わせて車を買い換えられればいいが、そういう経済状況の人など一握りだ。
また、男性は、自分のステータスに車のグレードを求める人もいる。
そのそれぞれのニーズをうまく読み取ることが出来れば、うまいセールスが出来る。
顧客にも満足してもらえる。
でも、さすがに高い買い物の為、なかなか簡単には売れなかった。
それが今日は早々に2件も決まったのだ。
めったにない好スタート。
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