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「…」
「…」
二人とも無言でコーヒーに手を伸ばす。
一口飲み私は口を開いた。
「ねぇ…貴方の腕の傷、私が達也に手当てした傷だと思うんだけど。」
「…はい。」
コーヒーカップを置き巧は下を向いてうつむく。
「…」
「…喋らんか!どういうことなの!!」
つい…
キレてしまった…。
「は、はい!!すいません!!」
「だから!すいませんじゃなくて!達也っていうのはアンタなの!?」
「…はい。」
巧は小さく頷いた。
えええーーーー
認めたくない…全然別人じゃない!?
「…騙してたの?」
「い、嫌そうじゃなくて…違うんです!」
「何が違うのよ!!」
必死な顔で弁明する巧。
達也と同じ人物だと言われても、表情や口調が違いすぎる。
「実は…僕、小説を書いていまして…」
先生と呼ばれていたのはそのせいかと納得する。
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