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見知らぬ携帯から着信が入ったのは、あの日から3日後のことだった。
私は就業時間後に一人残って、顧客情報の見直しをしていたところで、ファイルを開きながら携帯をとった。
「もしもし」
『…』
「もし、もーし中村ですけど。」
『…』
いたずらか?
間違い電話か?
まったく仕事中に邪魔するな!と電話を切りかけた。
『あの…すいません。』
いきなり謝られたが…何だ?
私は無言で続きを待った。
『速水巧です。覚えていらっしゃいますか…?』
「どうして電話番号知ってるの?」
私は、電話の主の質問に答えず、怒りのまま質問し返した。
『すいません。…寝ている間に…。』
「ふうん…」
気の無い返事をして私は携帯の通話を切った。
そう、寝てる間にね…
勝手に電話番号を調べたわけね…私の鞄から取り出して…。
許さん!
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