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ほぼ、見ず知らずの男性に下着まで洗濯してもらった私は、乾燥が仕上がるまでとバスローブ姿のまま食卓に着く事になってしまった。
目の前にはキチンとした一汁三菜の献立が並ぶ。
向かいの席では、巧がもくもくと箸を進めている。
寝た翌日に、寝た男の弟と二人っきりで食卓を囲んで食事しているという、非常に貴重な体験をしております。
しかもバスローブ一枚、下は裸というあられもない姿で…。
味なんかわかるか!
と思って食べ始めたものの、巧が自分で作ったという朝食(ブランチ?)は、かなりの腕前でおいしかった。
おいしいと褒めると巧は伏目がちに照れながら微笑んだ。
内気なんだな。
この料理の腕ならお婿に欲しいぐらいだ。
よく見ると顔もそんなに悪くないし…
というか…さすが兄弟そっくり…
え…似すぎてない?
纏う雰囲気や目つきが違うと全然与える印象が違うけど、目鼻立ちのバランスは一緒に感じる。
そういえば、車を買いに来た時は、あんまりにも印象が薄くてよく顔を見てなかったかも。
今みたいにしょっちゅう下向いてばかりいたし。
「あの、もしかして貴方とお兄さんって双子なんですか?」
巧がビクっと体に出るほど驚いた反応をして、箸を持った手を止めた。
な…なに…?
私、なんかいけないことでも聞いた?
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