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思わず私も動揺して手を止め、見つめてしまう。
巧はしばらく固まっていたが、溜めていた息を吐き出すと、何かを決意したかのように顔を上げた。
ピーーーーー。
長い電子音が遠くから響いてきた。
「あ…」
「あ…服、乾きました…。」
「じゃ…私、着替えます。」
一刻も早く、この無防備な姿から脱したかった私は、巧が何か言いかけていたことも忘れて、立ち上がった。
「とってきます。」
「い、いいえ。自分で。その奥ですよね。」
「は、はい。」
これ以上私の下着に触れられてはたまらないと私は急いで向かった。
バスルームの手前に洗面台と乾燥機付き洗濯機があって、その中で私の衣類はふわふわ舞っていた。
廊下と繋がるドアに鍵をかけ、乾燥したての暖かい衣類を着る。
やっと下着を着ることが出来て心が落ち着いた。
今まで着ていたバスローブはランドリーラックに放り込む。
ふう…これで気まずいこの場から逃げることが出来る。
私は、ほっとして扉から外に出た。
居間に向かう前に寝室に寄って荷物をとる。
「あ…もう帰っちゃうんですか。」
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