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巧が私の腕を掴み必死に留めようとする。
なんで、巧がこんなに必死になる必要があるのか、わからない。
兄弟愛ってヤツ?
「以上です。離してください。」
私は巧の手を思いっきり振り払った。
「ツッ」
巧が腕を押さえて顔をゆがめた。
え!?
痛がられるほど強く振り払ったつもりはないんだけど…
顔をゆがめてしまった巧は、明らかにしまったというような顔で動揺していて。
巧が押さえた場所は、昨日達也が怪我した場所と一緒…
双子は通じ合ってて同じ場所に怪我したりするっていうけど…
まさか…
「ちょっと腕を見せて!」
「あ、ま、まってくだ…」
私は自分の中に浮かんだ疑問を確かめるべく、巧の押さえている腕を取って、袖を捲り上げる。
そんな…
その腕は、私が手当てした腕だった。
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