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『美香、今日、時間ある?』
私は会社の外で、久しぶりにかかってきた彩からの電話に出ていた。
ああ、そうだった。
週末、誠さんと出かけるって言ってたっけ…、その報告かな。
「あ、今日は斉藤と飲みに行くの。彩もくる?」
『いや…じゃあ、又電話する。』
「どした?トラブル?」
『トラブル爆発…まあ、解決したけど…なんか誰かに聞いてもらいたいだけだったから…』
「そか…やっぱ断ってそっち行くわ。」
彩がこんなふうに言ってくるのも珍しくて、私は会社から出てきた斉藤に手を振って電話中だということをアピールする。
私の表情を見て、察してくれたようで、少し離れたところで立ち止まっていてくれている。
『いいって!ホント大丈夫。そのかわり、帰ったらちょっと長電話させて。遅い時間でもいいから。』
「いいんだよ。私の機嫌取りに飲みに付き合ってもらおうとしただけなんだから。」
そうだった…
私も彩に巧との事、話しておこうかな…。
でも、彩は彩で手一杯だろうしな…。
『ぷ。美香、機嫌悪いの?飲んで絡んで又私にお迎えコールが来るんじゃないでしょうね?』
「そうならないよう、絡まない飲み方の練習開始しようかと。」
『あはは。そうだよ、イギリスに行ったら、駆けつけることは出来ないからね。今のうち大人しい飲み方、会得しといてよ。』
「彩が大丈夫なら。まあ、そうするわ。」
『じゃあ、頑張ってきて!』
「どんな応援だよ。あはは。じゃあ、帰ったら電話する。」
『うん。ストレス発散してきて。』
「ほーい。じゃあね。」
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