記憶

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------------------------------ 俺は大友さんと別れ、繁華街を駅に向かって歩いていた。 明日の仕事も早いからと、早めにお開きにしたため、まだ10時前だ。 ネオンやすれ違う人々の賑やかな声を聞きながら、ほろ酔い加減で歩く。 篠原グループか…大きいな。 山田警備が過去に篠原グループ関係の警護をしたことあると編集から聞いたことがあった俺は、大友さんにカマをかけてみたんだが… 当たっていた。 大友さんは、そのリサーチ能力スカウトしたいくらいだと苦笑した。 まあ、それ以上は進行形の案件だからと何も教えてくれなかったのだが…。 日本の政財界、両方に強いパイプを持っている篠原グループ関連なら… かなり面白い裏事情があるのだろう。 物書きとしての好奇心が疼く。 これだけの情報でも物語が出来そうだ。 頭の中を廻るエピソードをパズルのピースをはめるように構築していく。 この構想を練っている時間が一番楽しい。 達哉なら… 「あ、達也―。」 頭の中で自由に飛び交っていた思考に甘ったるい甘えた声が被った。 「久しぶりー。」 声と共に腕に手が絡まってくる。 いきなり腕を組んできた女は、以前、大友さんと共に何度か行ったことのあるクラブの女だった。
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