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『…ちゃん…ここにいてね。』
優しい優しい声…
『すぐに戻ってくるから…』
『うん』
優しいぬくもりが側を離れていく。
駄目…止めなきゃ…
待って……
行っちゃ駄目……
駄目ー!
ぬくもりを追いかけ、必死で手を伸ばす。
何度か手が空を切る。
必死で必死で伸ばした腕が何かに捕まえられ、ぬくもりの中に引き寄せられる。
私は、決して離すまいとしがみついた。
よかった…
よかった…もう…大丈夫…
『大丈夫…大丈夫だから…』
何度も背を撫でる暖かい手に安心して身を任せた。
「…美香さん…大丈夫だよ…側にいるから…」
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