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先日の夜の光景がよみがえる。
私を乱した達也…いや…巧の妖艶な瞳を思い出して、ゾクッと体が震えた。
ありありとよみがえってきた感触を必死で振り払う。
た、確か…具合が悪くなってベッドで休ませて貰ったけど…
普通に横になっただけよね…。
巧の体勢を考えると、私が抱きついてそのまま巧は寝たんじゃないかという予想が簡単に立つ…
でも!何故!?
と、とにかく離れなきゃ。
私は巧の腕をよけ、身体を起こした。
今度は引き寄せられなかった代わりに巧が瞳を開いた。
「あ…美香さん、起きました?…気分は大丈夫ですか?」
巧は目を擦りながら起き上がると、腕を伸ばして伸びをする。
「…美香さん?……まだ、調子悪いですか?」
気まずさに黙っている私を心配して巧が覗き込んでいる。
「…大丈夫よ。」
「そうですか。良かった。」
恥かしさを隠していったせいか、言葉がぶっきらぼうになった。
しかし、巧は安心したようでにっこり笑う。
「でも、無理はしないでくださいね。今は…8時か…」
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