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グッ
とうめき声を上げて巧がのけぞる。
「あっ…」
「み…美香さん…酷いよ…。」
「アンタがさっさと離さないからでしょ!」
あ…
しまった…つい。
感謝する気持ちで一杯なのに、反射的に怒鳴ってしまった。
「だって…こんな…かわいい美香さん、もう二度とないかもって…」
巧の言葉に反省も吹っ飛んだ。
「ドアホ!あたしは、いつでも可愛い!!」
「ええー!?」
驚愕した表情をする巧を殴ってやろうかと思ったが、いろいろしてもらってるのにそれは無いかと思い直す。
巧を放って置いて、私はソファに座りなおし、もうすっかり冷めてしまったコーヒーに手を伸ばした。
彩は無事。
そう…
『彩はきっと無事で戻ってくる。』
私は、一心に彩の無事を祈った。
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