事件の終焉

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私は、保留ボタンを解除して返答を伝えた。 「もしもし、篠原さん。わかりました、今から病院に向かいます。」 『病院に着いたら中に入る前に連絡下さい。』 「…わかりました。」 『よろしくお願いいたします。』 病院に入る前に連絡を…という部分に少し不思議に思ったが、篠原さんの病室までは知らなかったので、その説明でもするのだろうと勝手に納得して、通話を終えた。 けれど、病院に着いて連絡するとその理由はすぐにわかったのだった。 病院の外から連絡した私たちを、巧の知り合いの大友さんが私たちを迎えに来た。 そして、病院から程近い場所にある、格式あるホテルの一室に通された。 その部屋には、篠原さんの他に男性二人と一人の女性がいた。 女性は一見OL風で…どこかで見たような覚えがした。 切れ長の目の男性は肩に怪我をしているようで包帯を巻いている。 もう一人は中世的で恐ろしく美形な男性がいた。 「中村さん、速水さん、およびだてしてすいません。」 「篠原さん、休んでなくていいんですか?」 「ええ。医者には診てもらいましたから。それよりも今後の対策を立てなければいけませんので。どうぞお座り下さい。」 「…はい。」 私と巧は並んでソファに腰掛けた。 「彼らは、私が警護をお願いしていた、山田警備の所長、そして調査員の二人です。」 「山田です。こちらが調査員の木下恵と木下祐也です。」 てっきり、切れ長の目の方が所長かと思ったら、美形のほうが話し始めた。 あれ、調査員のほうは同じ苗字ということは兄弟?夫婦? 思わず顔に共通点がないかまじまじと見つめてしまう。 山田さんは、申し訳なさそうな表情をして私たちに頭を下げた。
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