scene10 last run

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 RX-7のノーズはスープラのテールの左側と並ぶ。 「貴志の野郎!」  さっきと同じようにリアをスライドさせて後ろに下がらせようかとするが、貴志も見抜いたものだった。その前に、RX-7を氷上を滑るかのようにスライドさせてアウト側のガードレースすれすれを駆け抜けてゆき。  RX-7の右側のドアがスープラの左側のドアと並ぶ。真横につけたのだ。  貴志は全神経を張りつめてマシンをコントロールする。これでしくじればRX-7は吹っ飛びガードレールを突き破って崖下転落だ。 「ちぃ!」  龍は歯軋りして、RX-7を前に行かせた。これで無理にブロックをすれば、2台もとろもクラッシュのおそれがあるからだ。  龍から見て、RX-7はするすると左側から右側へと滑るようなライン取りを描いて、スープラの前につけてコズミック-7を追うかたちとなった。 「ふぅー、なんとかうまくいったぜ」  貴志は大きく息を吐き、狙いをコズミック-7に定める。 「しかし……」  なんという基本に忠実な走りだろう。香澄は、コズミック-7は。
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