16人が本棚に入れています
本棚に追加
コズミック-7の助手席に座す優はRX-7のパッシングを見て、感心したようだ。
「貴志は、乗りなれたRX-7だからな」
チューニングをほどこし、パワーアップしたとはいえ、ベースマシンがRX-7であることには変わりはない。それに対して龍は新しいマシン。コツを掴みつつあるとは言え、MR2のように乗りこなせてない。
「くそが!」
コーナー立ち上がりとともに上りになって。龍はアクセルを踏み込みRX-7に迫った。
「うわ」
RX-7のリアタイヤがスライドし、貴志はそのコントロールを強いられる。もともとドリフト傾向の強い走りをしていた貴志だが、パワーアップしたことにより、タイヤのスライド量は増えて、RX-7はなかなかまっすぐ前に走らず、常に斜めを向きっぱなしだった。
結果として、立ち上がり加速はさほどでもなかった。そこをスープラにつけこまれて、差を縮められる。
優は2台の走り、挙動の違いを眺め。それを楽しんでいるようだった。
最初のコメントを投稿しよう!