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龍は歯を食いしばってヘッドライトの切り開く闇のそのまた向こうの闇を凝視する。
後ろのコズミック-7はスープラを抜くにいたらず、ぴったりと後ろについている。RX-7もコズミック-7にぴったりとついてゆく。
「すげえ……」
龍と貴志はつぶやく。
改めてコズミック-7と互角ということがどのようなことかを実感していた。
永遠に続くかと思われたストレートも一瞬で終わろうとして、コーナーが闇からすくい出されて、龍はブレーキを踏んだ。
それと同時に、コズミック-7が素早くスープラのインに並んだ。
「っな……!」
コズミック-7がスープラと並んでからブレーキランプを灯らせるのが、貴志の目に飛び込む。
「糞が!」
インに並ばれてしまってはどうしようもなく、龍のスープラは香澄のコズミック-7に前を譲らざるをえなかった。
コズミック-7は相当突っ込んだレイトブレーキングでコーナーに進入したはずだが、危なげもなくタイヤを路面に食いつかせてコーナーをクリアしてゆく。
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