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「だからと言って、前は譲らねえぜ」
龍は意識を集中させて前だけを見てスープラを走らせる。
「……」
香澄は黙って2台についてゆく。その間もAIユニットは無限のパターンのドライビングをシミュレートする。
「タイヤがやばいな……。香澄ちゃんのはどうなんだろうか」
RX-7のタイヤもタレて音を上げていた。それなら、コズミック-7のタイヤも同じだと思いたかったが、あの香澄だ。龍も貴志も思いもよらないほどタイヤを温存させているかもしれない。
そう考えている間にもいくつものコーナーを駆け抜けて、コースの半分を過ぎる。
「ここからかな」
AIユニットのプログラムが稼動して、
GO!!
との表示をしめした。
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