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スープラはアウトの山肌へと思いっきり突っ込んで体当たりをしてしまったのだ。
衝撃とともにボディがへしゃげる感触が伝わり、思わず目を閉じ。暗闇の中でシェイクされているようだった。
それから無限とも思える一瞬が過ぎ去って目を開けば、どうにか止まってはいたが。コズミック-7の姿はなかった。
「……、負けたのか」
龍はぽそっとつぶやいた。
貴志はスープラの挙動があやしくなるとともに咄嗟にブレーキを踏み距離を開けて、そのクラッシュの様を見てしまい。慌ててそばに停めて下車し、スープラのもとまで駆け寄る。
「龍、大丈夫か!」
「大丈夫じゃねーよ」
4点式ベルトを外し、助手席側のドアを開けて龍が這い出してくる。
大丈夫じゃねーよ、と言いながらも下車して立ち上がってスープラを眺める龍を見て、貴志はほっとした。
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