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「さてと…」
「あ、お腹すいてるなら、まだ早いけどシェフにお願いして持ってきてもらう?」
そう…ここでの生活はかなりの裕福な生活をさせてもらっているの…。
ロイド家というのは、篠原家に負けず劣らずのお金持ちの家で、当主の屋敷には、必ずメイドやシェフなど使用人がいるのだ。
最初は戸惑ったものの、英語の勉強やイギリスの風土、社会のしくみの勉強をしなきゃいけなかった私には、大助かりだった。
でも、料理や家事も嫌いじゃないので、一緒にやったりしてるけどね。
週に一度は、私が台所に立って、日本食を作ってるし。
最初は使用人の人たちも驚いていたけど、今では英会話のレッスンに付き合ってもらいながら、一緒に家事をしている。
みんな優しい、いい人ばかりだった。
「食事は…まだいい。」
「そう。」
私は、答えながら上着を受け取って、ハンガーにかける。
誠さんが、こんなに早く帰ってくるなんて久しぶり。
私は、嬉しい気持ちを抑え切れなくて、顔が自然と笑顔になる。
「そうだな…こんなに早く帰ってくるのも久しぶりだから、彩、おいで。」
「…ん、なに?」
振り返った私を、ひょいと抱え上げると、誠さんは二人専用の居間から続き部屋の寝室へ歩き出した。
「…誠さん!?」
「…最近、忙しすぎた。彩のかわいい顔が見たい。」
誠さんは驚く私を意に介せず、自分のいいたい事だけ言うと、私をベッドに放り込んだ。
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