秋日和

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未だに、毎朝この様なやり取りをしてしまっていた。 そして 「もう、解りました。明日は私が着替えさせますからね!」 と、毎回詩織が折れて部屋を出るのだ。 本当は、自分が着せ替えをしなければならないのだが… まぁ、あの部屋に武器等隠せる訳無いのだから大丈夫だろう。 常に誰かしら沙耶を監視しているのだから… 戦に負け、沙耶様を人質に囲い物にしたこの城の城主は、男色家の変態だ。 沙耶様は、もう5年も城主様の男妾をさせられていた。 歳は今年で19になられる。 囚えられてから日も経ち、体は当時より幾分か男らしくなったであろうが、いつまでも城主の熱が冷める事はない様で が、それも仕方ない事かもしれない。 「詩織、着替えたぞ」 そう言って、きらびやかな着物に身を包んだ沙耶が障子戸をスーッと開き、姿を現す。 長い漆黒の髪は、床に着かんばかりに伸びているのに、痛む事なく まるで、絹糸の様に鮮やかで スーッと涼しげな目元と長い睫毛 形の綺麗な鼻 少し色づいた唇は、紅を差さずとも美しい。 そう、容姿端麗とは、この人の為に有るような言葉だと思えた。
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