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だから自分も殿を愛している様に演じた。
血ヘドを吐く思いであるが、いつか復習の時を見計らう為にはそんな事
容易い事だった。
その甲斐あって、自分の言うことを聞いてくれた城主
まぁ、隠れて見張りは着けている様だが、少しはマジだ。
しかし、前の2人は自分に恋心を抱き『お慕いしております』等と言い出したので、解雇した。
そんな事を殿に知られては、娘は拷問の末に死刑にされてしまうだろう。
それに、自分は囚われの身
相手の想いを受け入れる事は出来ない
それに、『お慕いしている』と言われても
此方には全くその様な気持ちは無かったし、そんな気持ちは、今はただ邪魔な物でしかなかった。
そうして、今は詩織がこの職に着いているのだ。
詩織は、腰まで程の長い髪を後ろで束ね
健康的な肌にクリクリと大きな瞳
色付いた頬に、桜色の唇と、可愛らしい容姿。
せれに、いつも元気で明るい性格は、一緒に居ると癒された。
詩織と居ると気持ちが安らぐ
詩織を手放したくはない
ずっと側に居て欲しい
そう思ってしまうこの気持ちは…
「沙耶様」
急に話し掛けられ、ハッと我に帰る。
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