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プロローグ
「ん…あっ…殿…」
ユラユラと揺らめくオレンジ色の淡い光に灯され、障子に浮かび上がる2つの影は、重なりあい
甘い声が外まで漏れていた。
障子の外では、気配を経ち、その様子を伺う人物の姿
長い髪を後ろで結わえ、鋭い眼光で障子の影を見詰めるその人は、口元を布で隠し、頭巾をかぶっている。
服装も黒と目立たず、身動きのしやすい物
そう、忍びの様な出で立ちで声を潜めていた。
終止を障子を隔てて様子を伺っていた忍びは、物音が止み、明かりが消えた事を確かめてから
スーッと己自らも姿をどことなく消したのだった。
障子の中では先程まで手酷く扱われていた。甘い声の主が1人溜め息を吐き、寝返りを打って障子を眺める。
丸で今まで誰かがそこに居たことを悟っていたかの様に…
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