0人が本棚に入れています
本棚に追加
ブ-ブ-....ブ-ブ-
深夜1時頃スマホが鳴った。
(....誰?こんな時間に~)
「うー..はい...もしもし~」
?『もしもし?俺だよ俺』
「ん? オレオレ詐欺...ですか?そんなのには~ふわぁ~引っ掛かりませんよ~」
相手は勿論、オレオレ詐欺の犯人ではなく私の彼氏だ。ネットで出会った遠距離恋愛....いわゆるネッ恋というやつだ。
『うん!対策はバッチリだね!』
「それだけのために電話したの? こっちは...眠いんだよ」
『ごめんごめんwあと違うからね!』
「そしたら...ふわぁ~眠い....なんなの?」
『ふふ♪なんか可愛いな♪』
「っ//う、うるさい! 何もないなら寝るよ!!」
『ダメダメ!! ちょっとさぁ~空見てみて?」
「空?何で?」
『いいから早く!』
「はいはい」と返事をすると彼の『やった♪』と声が聞こえた。カーテンを開けて空を見ると満点の星が現れたのだ。
「な、なんなのこれは!?」
『そっちも見えてるみたいだね~♪なんかね、今日は星がちょー綺麗に見えるんだって~』
「いくらなんでもスゴすぎでしょ!!」
私は感動していた。こんな綺麗な夜空を見ることが無かったからだ。
『スゴいよね~』
「本当に...星がきれ...」
この私の言葉を遮って彼は
『ダメ!その言葉、俺に言わせて!!』
「えっ!?いいけど....」
私は鳩が豆鉄砲を喰らったようであった。
彼『ゴホン....改めまして《星が綺麗ですね》』
その言葉を聞き、彼がにっこりと笑っているのが想像できた。同時に違和感を感じた。
(ですね?..あっ!)
「もしかして...夏目漱石の?」
『おぉ~正解♪でも、乗っかってほしかったわ~』
「はいはい(笑)うーん...これならどう?...それはあなたと見てるからよ」
『おぉ~いいね~』
「ありがとう♪」
『いきなりだけどさ。俺たちって付き合って4年目じゃん』
彼の声のトーンが変わった。真面目な話をするときの低めの声になった。
「うん...早いよね」
『会ったことはあんまりないけどさ』
「う、うん」
さっきまでの楽しい会話が嘘のように私は感じられた。
『俺たち....付き合うのやめない?』
最初のコメントを投稿しよう!