物語が始まる頃に

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ホームルームは、入学式開始時間に合わせて終わり。そのまま出席番号順で廊下に並ばせられて体育館へ向かわせられた。 一組から体育館に入るらしい しかし待っている間暇だな… 友『なぁ?幸樹』 話しかけてきたのはもちろんのごとく友也だ。友也の名字は柊(ひいらぎ)だから、僕の後ろに並んでいる。 それにしても、なんてタイミングの良い奴だ、だからコイツは好きなんだよな 『ん?』 あえて素っ気なく返してみた。 友『さっきの可愛い子の話なんやけどさ?』 …コイツなぜ、そんな事を超重要秘密事項みたいにコソコソと話やがる… まぁ…さっきみたいに大声で騒がれるよりは大分ましか… 『それが?』 友『もっと情報ねぇんか?』 『ないな』 まぁ俺は顔みてるけどそれでは、俺がコイツに捜そうと提案したのがおかしくなってくる。 今はあくまでも可愛い女子捜しをしているのだから、 ……自分で言ってて恥ずかしくなくってしまった。 なんだよ、可愛い女子捜しって、そりゃ気にはなるがな?色々とおかしいと思うんだ。 うん、とりあえず女子からの『最低ー!』なんて言葉は、飛んでくるだろう。 まぁ、俺の場合は、あの子を捜すための口実、建て前、カモフラージュだ。 うん、まだセーフだ!ギリギリだ!ギリギリセーフであってくれ! ………恥ずかし次は悲しくなってきたが…コイツ(友也)は、マジで可愛い子だ けを求めて今頑張ってるんだもんな…最低…あ、思わず本音が・・・ 友『…マジで虱潰しに探さなあかんのか…キッツ…』 そうだろうな…すまん なんて心の中で友也に謝罪しているとクラスの先頭が動き出す。 『まぁまずは入学式という大人の偽善、儀式を乗り切るぞ?』 少し脱力している友也の肩に手を置き厨二病混じりを台詞を吐く 友『…そうだな…まずは目の前の敵(入学式です。)を倒してからだな!』 やっぱり、軽くて、ノリが良いなコイツ …ふ、そしてまた…周りからの目線が痛いぞ…そうか、厨二病をネタでやっていいのは中学までか…高校になると本気にされるのか… もう言わないようにしよう。
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