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――翌日。
(緊張して全然寝れなかった……)
シミュレーションを何度も脳内で行ってはいたが、やはり緊張してしまう。昨日行った事は全て無駄であった。
「こういうのは堂々としてれば良いんだ。……よし」
覚悟を決めて教室へと入る。
「それでね~っ!」
「まだ続きあるの~」
(8人っ!?)
雪音の周りには8人の生徒がいた。
揺らいだ覚悟そのままに突撃する楯一。
「あっ、あの……浅本さん?」
「はい?」
「これ……昨日拾って……」
なんとか財布を差し出す。顔が熱いのが自分でも分かった。
「ありがとうございます、ダメかと思ってました……良かった」
「それでは……」
席に着くと、楯一は天井を見上げた。
(帰りたい……)
メンタルがごっそり持って行かれ、心の中で涙を流す楯一がそこにはいた。
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