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「何だよさっきから。今日は妙に突っかかるじゃねーか社木」
「突っかかってきているのはキミの方だろう? 下手な言いがかりはよしてくれ」
「お前なぁ!」
シャギーへ詰め寄ろうとしたところで、大介は芦長に首根っこを掴まれ止められる。
「喧嘩なら後でやれ。こっちが優先だ」
「ぐっ」
「では、頑張ってくれたまえ。皆のヒーロー飛火夏虫君」
そう言い残し、シャギーは手をひらひらと振って理将と拳を引き連れ去っていった。大介は不満そうな顔をしながらも、芦長に促されるままに席へと座る。
四人席の片側に節沢カップル。もう片側に大介と芦長という座席位置。ここでようやく、仕事の話し合いが本題へと移ることとなる。
「まずはそっちの彼女を紹介してもらえるか?」
「あぁ、はい」
探偵に頼まれ、節沢が彼女を二人に紹介する。
「こちらはボクの彼女の園山優花。優花、こちらはボクが依頼した探偵の芦長十一さんと、護衛を務めてくれる瀬野なんとかさんだ」
「瀬野なんとかさん!?」
大介が立ち上がり憤慨するも、虚しくスルーされる。
「お二人が私を守ってくれるんですね? よろしくお願いします芦長探偵。なんとかさん」
「普通にそれで呼ぶのかよ! 名前は大介だよオ・オ・ス・ケ!」
本名を伝えて、大介は席に着いた。それから、護衛対象である優花に改めて目を向ける。
美人であった。雨に濡れた髪は艶やかで、スラリとしたボディーラインには大人の魅力が凝縮されている。節沢がベタ惚れなのも納得がいった。これだけの美女なら、大介も守り甲斐があるというものだ。
「では、仕事内容の確認をさせてもらう。内容は追手であるフェイルのメンバー二人を撃退するまでの護衛。仕事が遂行され次第、約束の額を支払ってもらう。間違いないか?」
「はい。それで問題ないです」
節沢が合意すると、芦長は「契約成立だ」と節沢と握手を交わした。
「それでは、今日の宿泊先を決めないといけませんね。今のホテルには流石に戻れませんし。でも、今から探して見つかるかしら?」
「それなら心配ない」優花の心配を、芦長が一蹴する。「瀬野のアパートに泊まればいい」
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