158人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
それらを指摘するより前に、ドアは閉じられ鍵をかけられてしまった。芦長は「もう寝るなよ」と念を押してから、元の場所へと戻っていく。
大介は一人、玄関に背を預けあの光景を思い返してみる。畳から突き出した鋭利で巨大な無数の棘。貫かれている節沢は、まず助からないであろうほどの致命傷を負っていた。
無意識のうちに眠ってしまっていたのだろうか。夢にしてはリアルに感じた。しかし、物的証拠がない以上やはり夢なのだろうという結論で落ち着いた。
見張りの成果なのかはわからないが、結局その夜にフェイルが現れることはなかった。
最初のコメントを投稿しよう!