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駅の西口付近に店を構えるメイド喫茶“キャットウォーク”。きずな、照子、育の三人は四人掛けのボックス席を陣取り、照子告白大作戦の策を練っていた。
シャギーに彼女がいたという疑問は解け、照子はいつもの照子に戻っている。それならば当初の予定通りラブレターを間接的にシャギーへ渡すという作戦でいいはずである。
だが、それは不可能であった。
テーブルに置かれている一枚の手紙。それは無惨なまでにシワが寄りよれよれになっていた。照子はそれを悲しげな表情で見つめている。
「テルちゃん。いくら見つめたって手紙は元には戻らないよ?」
「わかってます。わかってますけど……はぁ」
照子は深い溜息を落とす。
ラブレターが完成しウキウキ気分で帰路を進んでいた昨日の放課後。シャギーと謎の美女とのツーショットを目撃した照子は、ショックのあまり傘を投げ出して家まで走った。土砂降りであったため鞄の中までびしょ濡れとなり、その結果ラブレターはご覧の有り様と成り果ててしまったわけである。
書き直せばいいというのはもっともな意見であるが、インクが滲んでしまい文字は読みとれない。記憶を頼りに書き直そうと試みたのではあるが、どうしても途中で筆が止まってしまい上手くいかないのである。
「また明日にでもテンゴにお願いしようよ。焦る必要ないって」
「でっ、でもっ、今こうしている間にもシャギーに彼女ができる可能性はゼロじゃないんですよ!?」
「神経質になりすぎよ照子さん。あ、猫子さん。コーヒーのおかわり頂ける?」
「かしこまりーっ」
元気よく注文を承ると、メイド喫茶でバイト中の同級生・三毛崎猫子は猫耳と尻尾を揺らしながら注文を伝えるため厨房へと向かっていった。
「そんなに焦るなら、今からでも呼び出して直接告白しましょうよ」
「そっ、そそそそそんなの無理です恥ずかしいですぅ!」
「進展しないねー」
困り顔でクリームソーダを啜ると、きずなはふと思い立った話題を提示した。
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