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シーン3 #2
「これから先愛希ちゃんが信頼できる霊に出会ったのなら、そ奴に守護霊になって欲しいと頼めばいい。じゃが、そうそう簡単に見つかるとは思えぬ」
「だから僕につけようと?」
「イエス! キリスト!」
シャワーで冷水をぶっかけた。
「わっ! 冷たっ! 老人虐待!」
「人が真剣に悩んでる時につまんねーギャグ入れんな!」
その後、冷水とお湯をかけ合う不毛な争いが数分間に渡り繰り広げられた。何も生まれない戦いの最中も、神は守護霊をつけるよう説得してきた。
そんな中、僕を動かした一言がコレだ。
『守護霊で幽霊と戦うなんて、何か漫画っぽいじゃろ?』
本当だ。漫画っぽい。
純朴な少年である僕は当然漫画も大好きだし、かっこよく戦うバトル漫画の主人公には、誰しもが一度は憧れるものだ。単純だとも思ったが、最終的にはそれがきっかけとなり、僕は守護霊の件を承諾した。
「で、どうすればいいんだ?」
「何もせんでよい。目を閉じて湯に浸かっておれ」
言われたとおりに目を閉じる。ヤバイ、緊張してきた。
「守護霊は基本的に先祖や飼っていたペットなどがなるものじゃが、そういった関係でお主につきたいというものはいなかった」
「そうか。じっちゃんもポチも僕を好いてくれてはいなかったのか」
「内心ウザかったと言っておった」
「冗談なのかわかりづらいっ!」
仮にも神のお言葉なんだぞ。もっと自分の発言に責任を持て。そんなだから支持率落ちるんだよ。
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