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「んでの、そういう訳じゃから、守護霊は一般応募でお主につきたいと立候補したものの中からランダムに選ばせてもらう」
「それって、自分じゃ選べないの?」
「馬鹿者が。全ては導き。運命に従うがままにじゃ」
おぉう。いいこと言うじゃないか神様。何かより漫画っぽくていいな。
「では、参る!」
パンと手を叩く音が聞こえた瞬間、瞼を閉じていてもわかるほどの強烈な光がバスルームを覆いつくした。うおぉぉぉぉぉ! ワクワクする!
果たして一体何が出るのか。雄々しいライオン? 気高き鷹? 屈強な武士なんてのもカッコイイなぁ。
やがて光が徐々に弱くなり、それからすぐに「もう開けてよいぞ」と許しが出た。実はさっきからひしひしと感じてるんだ。右肩に乗っている何者かの気配を。
そいつは幽霊だ。わかっている。普段の僕なら絶叫して全裸のまま浴室を飛び出し、男のプライドを捨てて兄貴にしがみついているだろう。だが、今回は違う。そいつは今後苦楽を共にする僕のパートナーなのだ。恐怖なんて全く感じない。
「さぁ、ご対面だ。我が相棒よ!」
目をカッと見開き、右肩に目をやる。するとそこで蠢いている、手のひらサイズの茶色い何か。
正体がどうにもよくわからない。そんな僕の姿を見かねたのか、神様が柔らかな笑みを浮かべて教えてくれた。
「おめでとう。お主の守護霊・ジャンボタニシじゃ」
何故だろう。涙が出てきた。
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