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懐かしい｡
とは､少し言いづらい｡
少年の心境は複雑だった｡
数日前､彼はある理由からこの町に引っ越してきた｡
幼少期の短い間を過ごしたこの町に｡
現在16歳の高校二年生｡
この町に住んでいたのはもう10年以上前の話だ｡
そんなに間が空いたら忘れるに決まってる｡
しかし覚えているものもある｡
自分が通っていた幼稚園もそうだが､
どこかに神社があるはずなのだ｡
昔に､
友人とそこで遊んだ記憶がうっすらと脳内に写し出される｡
その友人の顔は思い出せないが｡
今､その神社を目指して歩いている｡
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