序章――鍵は開けられてしまった――

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今は4月。 空は橙色になっている。 暗くなるまで時間はかからないだろう。 そんなときに彼は、大変なピンチになっていた。 「完全に迷った………」 家から神社までの道はわかってた。 ただ、道が工事中だったのが運の尽き。 土地勘のない者が安易に道を曲がれば、 迷子になるに決まっている。 そしてなった。迷子に。 どうしたものかと頭を掻く。 携帯の充電はとっくに切れた。 辺りに人はいない。 「はぁぁぁ~~」 本日何回目かも数えられない溜め息を吐く。 幸い?目の前は一本道だ。 とにかく今は歩くしかない。 「やっぱ、要らない持たない夢も見ない、 フリーな状態はだめだな……」 深い意味はなく呟いた。  
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