序章――鍵は開けられてしまった――

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歩いていると十字路に出た。 誰か、誰でもいい。 道を聞ける人はと思い辺りを見回した。 人はいた。 彼とさほど年の違わなそうな女の子が二人と、 同じく年の違わなさそうな男子が一人。 計三人がいたのだが…… どうにも雰囲気が悪い。 「はぁ………ったく」 また溜め息を吐き、そちらに向かい歩き出した。 何か問題(具体的にはナンパとかカツアゲとか)なら、 見過ごせない。 彼は昔から正義感は人一倍強かった。 だから、昔からイジメっ子などとよくケンカしていた。 人一倍の正義感が、 人一倍の行動力と、 人一倍の怪我を作ってきた。 一歩、また一歩と近づくにつれて 男は背を向けてるからよくわからないが、 女の子ふたりはっきり見えてきた。 そうしてやっと、 女の子の片方はツインテール、 もう片方は頭に大きなリボンをしてるのがわかった。
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