賢者の石争奪戦

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【小夜:うん。私も山登りなの。ホントに奇遇だね。それじゃ、またね】 【花蓮:うんうん、またね。この世からバイバイだよ(笑)】 チャキ、と構えてそのままナイフを投げてくる。流石に全く容赦がない。 私は傍にいたカチュアを抱きながらダイビング。私の居た空間を、鋭いナイフが通過していく。 しかし、驚くほど早い第2手が私たちを襲ってくる。 すかさず防御の体勢に入ったけれど、飛んでくる複数のナイフはパイソンによって全て撃ち落とされた。 【花蓮:おやおや、小夜ちゃんまた新しいお友達が出来たのかな?】 【パイソン:どうも、新しいお友達っす。お2人とも、逃げときな】 どうやら彼もやる気満々のようだ。 【小夜:それじゃ、まかせて良い?】 【パイソン:おうよ。まあ倒せるかまでは分からないが、時間は稼ぐよ。こいつぁ相当強いな。ギア……上げるぜ】 私はカチュアの手を引いてそのまま走った。パイソンの本当の実力がどれほどのものなのかは分からないけれど、まともに花蓮に勝てるとは思えない。 あのケットシーに正面から挑んで勝利出来るのは恐らく楓くらいなものだろう。 今ではもうラファルも警戒されているだろうから、手加減などしてくれないだろうし。 とにかく今の私たちに出来る事は、大きく距離を離す事だけだ。
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