9人が本棚に入れています
本棚に追加
神帝歴2075年 冬
都内某所
オレンジ色の戦闘服を着た黒髪の男性と赤い戦闘服を着た黒髪の男性は目の前にいる背の高い男を見た。
「もう諦めなさい、ディタニア!!!!」
オレンジ色の男性が言うとディタニアと呼ばれた男は笑った。
「諦めるだと?笑わせるな!!!!俺はまだこんなところで終わるわけにはいかない!!!!」
ディタニアは大声で言ったが体は少しずつ透け始めた。
「何か勘違いをしているようだが……。これで終わりだと思うなよ。」
「っ!?!?」
「数年後、俺は更なる力を手にして復活をする。」
「っ!!!!」
「それまで頑張ってくれよ。」
ディタニアは笑いながら言うと姿を消した。
「っ……、あと少しだったのに……。」
オレンジ色の男性が悔しそうに言うと赤色の男性はオレンジ色の男性の肩に触れた。
「そうだな。でも今の状態では……。」
「確かに。君の言う通りだ。」
オレンジ色の男性はそう言うとディタニアが居た跡を見た。
「次、アイツと会う時は本格的な戦いが始まる……。」
「あぁ。」
「それまでにあの子たちを……。」
「一人前にさせないとだな!」
赤色の男性が言うとオレンジ色の男性は頷いた。
時は流れ、神帝歴2077年
東京メトロ、指令室
「あれから2年が経つ……。」
黒髪の男性…京橋憐(きょうばし れん)が呟くように言うと上司に声をかけられた。憐は話を聞くと振り返った。透明なガラスを挟んだ先で手を振る男性を見ると憐は小さなため息を吐いた。
「何の用なの、雅和……。」
「憐に会いに来た!」
ニコリと笑う男性…坂上雅和(さかうえ まさかず)がそう答えると憐は指令室に戻ろうとした。
「ストップ、ストップー!!」
「何?僕はまだ仕事中なんだけど?」
「それを言ったら俺だって仕事中だぞ!!」
「そうだね。それで捜査協力の依頼に来たのかな?」
「あぁ。」
雅和は頷くと捜査資料を憐に見せた。
「これは……。」
「ただの事件ではないよな。」
雅和が言うと憐は頷いた。
「『黒い化け物が人間を襲う』という通報が多発している。それも地下鉄の駅近くでだ。」
「新たな脅威?それともアイツ?」
「さぁな……。今言えることは1つ。『ウラ側の仕事が始まる』ということだ。」
「そうだね。」
「憐だって気付いていたんだろ?」
「っ!?!?」
雅和の一言に憐が驚くと雅和は「バレてるぞ」と言った。
「ソウルサークルの光り方がいつもと違った気がしたの。」
憐はそう言うと制服の中からネックレスを取り出した。先端のオレンジ色の宝玉は優しく点滅していた。
「確かに違うな。」
「うん。もしかしたら始まりの日は近いのかもしれない。」
「そうだな。そして俺らしか立ち向かうことはできない。」
雅和が言うと憐は頷いた。
「憐、心配……」
と雅和が言いかけた瞬間、雅和のスマホが鳴った。
最初のコメントを投稿しよう!