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蒼と優が大手町本部の執務室に入るとすでに憐と雅和が待機していた。
「蒼、お昼はありがとな!」
「いいえ。」
「いや~、蒼がいると安心して仕事ができる!!」
「もう何度も付き合っているからこっちも慣れてきたよ。」
「おぉー!それなら安心だ!これからも頼りにしているからな!」
雅和が言うと蒼は苦笑いを浮かべながら「勘弁して」と言った。
「優、急に来てもらってごめんね。」
「うんん。家に帰っても1人だから平気だよ。みんなといた方が楽しいし!」
「そう……。」
「でも今日がいつもと違うことは分かるよ。」
優が言うと憐は驚いた顔をした。
「なんで気付いたの?」
「いつもと憐の様子が違うからかな。」
「僕、そんなに顔に出ている?」
憐が聞くとその場にいた3人が頷いた。すると執務室に誰かが入ってきた。
「わっ、蒼兄が居る!?!?仕事は!?!?」
「駅勤務だから融通が効くの!」
「凄っ!!!!」
「それより一輝、奈央はどうした?」
「奈央姉はもう少ししたら来ると思うよ。そんなことより僕は数学の追加課題が怖くて先に逃げたよ!!」
和光一輝(わこう かずき)がドヤ顔を決めながら言うと「へぇー」という声が聞こえた。
「い、入谷先生……」
「量だけは減らしてあげようかと思ったけどね……。やっぱりそのままにしておくね。」
「なんでですか、入谷先生!?!?」
「私が数学追加課題の件について話そうとしたら逃げたからよ。」
入谷奈央(いりや なお)が頬を膨らませながら言うと一輝はため息を吐いた。
「奈央、一輝に甘えなんて要らないよ。減らせば減らすほど調子に乗るんだから。」
「ちょっ、小羽姉!?!?それはないでしょ!?!?」
「事実なんだから仕方がないでしょ。」
千川小羽(せんかわ こう)が言うと奈央は頷いた。
「確かに。甘やかしすぎるのはよくないわね。」
「でしょー?」
「小羽のいう通りにするわ。」
「そうしてください。」
小羽が言うと一輝は不満そうな顔をした。
「そう言えば憐兄、どうして今日集まったの?いつも土日に集まるじゃん?」
「そうだね。だけど今日はみんなに話したいことがあるの。」
「話したいこと?」
一輝が首を傾げると憐は頷いた。
「うん。とても大事なこと。……もしかしたら普通の日常に戻れないかもしれない。」
憐は呟くように言うと首を横に振った。
「憐、事実だろ。」
「そうだけど!!!!みんなを戦いに巻き込みたくない気持ちもあるの!!!!」
雅和の言葉に憐が反論すると部屋の中は静まり返った。
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