Network.01 帝都を守りし9つの光

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「ただ何も知らずに、みんなが楽しく、平和に暮らせたら……。」 「そうだな。だけどそれはできない。お前が一番よく知っているはずだ。」 「うん……。」 「そして路線能力者に選ばれた以上、この運命から逃れることはできない。」 「っ!!!!」 「初めて会った時、俺にそう言ったよな。」 雅和はそう言うと憐の目の前に立った。 「憐はどうしたいんだ?」 「僕は……。」 憐が答えに迷っていると執務室に誰かが入ってきた。 「憐、遅れてごめん!!!!」 「伊吹……。」 「うわっ……。この暗い雰囲気は何?」 清澄伊吹(きよすみ いぶき)はそう言うと憐の元へ行った。 「なに、また憐のネガティブ発言?」 「あぁ。」 雅和が答えると伊吹はため息を吐いた。 「れーん、平日に呼ばれた時点で全員理解しているよ。」 「っ!!!!」 「それに憐が思っている以上にオレらは強いと思うけど?」 伊吹が言うと憐以外の全員が頷いた。 「まっ、オレらはまだ現場デビューしていないから何とも言えないけれどー。少なくとも他の路線能力者より戦える自信はある。」 「おぉー、言い切ったなー!」 「憐と雅和の模擬戦が過酷だからだよ。自覚あるの?」 「無いけど、伊吹が言うならそうなんだろうな!」 雅和がそう答えると突然、憐が笑い始めた。全員が驚く中、憐は「そうだね」と答えた。 「僕らはこの日のために備えてきた。悩む必要なんて最初から無かったのに。」 「吹っ切れたか?」 「うん。ありがとう。」 「いいえ。じゃあ、光が戻ってきたら説明だな。」 「そうだね。」 雅和の言葉に憐が返事をすると突然、執務室に聞きなれない緊急アラームの音が鳴った。伊吹がタブレット端末で何かを確認すると憐を見た。 「代々木上原駅地上で未確認の反応アリ。」 「……やっぱり今日だったか。」 憐がそう言うと憐のスマホに電話が入った。憐は相手を確認するとスピーカーにして電話に出た。 『憐、聞こえる!?!?』 「聞こえるよ。どうしたの?」 『突然、ソウルサークルが光ったんだ。見たこともない光り方だった。』 「光、今どこ?」 『今は……』 湯島光(ゆしま みつる)がそう言うと執務室に入ってきた。 「ちょうど着いたところ。」 光は電話を切ると憐を見た。 「憐、俺らはいつでも行けるよ。」 「分かった。」 憐は頷くと全員を見た。 「説明する前に事件が起きたから先にそっちを片付けるよ。」 「了解。」 「それに現場に行けば僕の説明が省けるからね。」 憐が言うと9人は執務室を後にした。
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