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あろうことか依頼人の夫はスパイだった。
「ご主人はスパイでした。」と依頼人に報告するわけにはいかない。
依頼人の最終報告は3日後に迫っていた。亜津子が佐竹亮の調査を依頼されたのは妻佐竹美保からであった。出張から帰国してからの夫の様子が今までと違う。
浮気をするような人ではないが、もしかしたら・・・というものであった。
要職にある夫の調査を依頼するにあたりどうすべきか何処の探偵に依頼すべきか迷ったあげく「こちら様に参りました。」とのことである。
亜津子の探偵事務所は江ノ電の通る海が見える場所にある。この事務所の依頼人は目立たないであろうことを予測してやってくるのであった。佐竹美保も例外ではなかった。夫はもとより誰にも知られたくないという思いで都心から離れているということと女性の探偵事務所なので安心感があるからという理由からであった。
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