第1話

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佐竹美保が調査依頼をされた翌日、三浦豊が亜津子の友人の紹介で事務所にやって来た。 これで開業以来事務兼秘書をやっている神田裕美と三人になっていた。 仕事の流れや合理化を考えると依頼人の内容によっては三人で打ち合わせ会議を行うことも必要ではあったが、佐竹美保の依頼については少なくとも新人の三浦豊には伏せておく必要を本能的に感じ取っていた。 亜津子は紹介者に三浦豊のことを詳しく訊ねてみようと思っていた。大まかなことは友人から聞いてはいたものの更に詳しく聞く必要があると思いつつそのままにしていたのだった。 友人は不動産業と行政書士の事務所を併用し、主に外国人向けのビザを取得する仕事をメインにしていた。友人から採用してあげてと依頼を受けたとき彼女の紹介ならばと快く引き受けることにしたのだった。しかし、開業から一年足らずの三輪亜津子探偵事務所の内情は苦しいものだった。女性二人の探偵事務所、男性が一人居たら・・・とも思っていたのである。
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