第7章 恋する乙女とデート大作戦!

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「い、いや。べ、別にお礼を言われる程じゃねーよ」 うわっ、や、ヤバイ。 至近距離で美月を見てたら、なんかドキドキしてきやがった。 あの時もそうだったけど、ちょっと変だ俺。つ、疲れてんのかな。 「ね、ねぇ蒼介──あ、あんたってさ、すす、好きな子とかいるの?」 美月は顔をみるみる赤くしながら、突拍子もないことを訊いてきた。 な、なんだよその質問っ。ど、どうしていきなりそんな! 「……わ、私はね……そ、その……じ、実は」 「──桐生君、美月ちゃん、お待たせし」 と、俺たち二人が見つめ合っているところに、部室の扉を開けて若葉が入ってきた。 若葉は俺と美月の姿にパチパチと瞳をまばたきさせて、言葉を途中で詰まらせる。 た、タイミングが悪いぜ、若葉さん……。 「も、もしかしてお二人とも……ま、またキスを?」 ボッと顔を赤くする若葉に、俺たちは慌てて弁解した。 「ちち、違うぞ若葉! ここ、これは別になんでもなくってだな! やましいことは一切していない!」 「そそ、そうよゆかり! わわ、私と蒼介がキキキ、キスなんてするわけないでしょ!? まま、まったく想像力豊かねあんたは!」 ザザッと音立てて、俺と美月はお互いに距離を取った。 マジで心臓が飛び出そうだ。鼓動の早さがハンパねぇー! 「……そ、そうなんですか? わ、わたしにはお二人がキスしようとしている風にしか見えなくて」 「「忘れろッ!」」 と、二人完璧にハモって若葉に命令口調で言った。 「はは、はいっ! すす、すぐに忘れます!」 若葉はビクリ身体を反応させ、んーっと力強く目を瞑る。 ちょっとかわいいな。 というか若葉はなにも悪くないよな、うん。 とりあえず俺は乱れた息を整えて、ホッと胸を撫で下ろした。
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