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昨日の夜、宣言通り、姉は春休みぶりに帰ってきた。
ただし一人ではない、隣には陽平さんの姿もあった。
去年の春に見たプリクラは小さくてよく見えなかったので、ほとんど初めて陽平さんを見たことになる。
髪は黒で短くも長くもなく、顔立ちは整っていて、物腰のやわらかそうな青年だった。
服装も紺を基調とした地味なもので、よく言えば真面目そう、悪く言えばいたって普通、それが僕の陽平さんに対する第一印象だった。
いや、正しくは特に印象がなかった。
印象がないのが印象的だった、というのが近いかもしれない。
何事だろうか。
姉の表情は固く、いつになく深刻そうである。
それが僕の知っている姉ではなくて、ますます不安になった。
思えば電話で聞く姉の声も深刻そうだった。
それがいつもの姉らしくなく、嫌な予感がしたのだ。
だがその後姉から聞いた言葉は、僕の予想を超えるものだった。
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