第2話

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都季は、追々その仕組みを覚えていくが、まだこの日は初日である。 都季はこれに禍根を残し、後に仕返しを実行するのだが、それは下女の位置付けが上がってからの話となる。 *** ここでは下男の職掌については割愛するが、雪美館では下人に様々な持ち場が与えられた。 都季が初日に就けと言われたのは洗濯場だった。 他の持ち場は、その上に調理場があり、その上に風呂場があり、その上に娼家があった。上になればなるほど仕事が体力的に楽になり、貰える給金が多くなる仕組みである。 その持ち場が決まるのは下人の能力次第であり、頑張り続ければ位置付けを上げてもらえるが、逆もまた然りで位置付けが下がることもあった。 予めその仕組みを医者から教えてもらっていた都季は、頑張って上の持ち場を目指そうと意気込んでいた。しかし、それは徐々に沈んでいった。
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