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「まず、どうして火事の現場に
居合わせる事になったのか、
話してくれる?」
「それは…」
ヒロシくんはちらり、
とわたしを見てから、
口を開いた。
「椎名の言う通り、
…俺、一人で学校に忍び込んで、
文化祭用の映像を
校庭で撮ってたんです。
校舎の全景とか、
この間燃えたリサイクル小屋とか。
そしたら、体育館の方が
赤く光ってるのに気づいて。
何だろうと思って駆け付けたら、
体育館が燃えてるもんだから、
もうびっくりして。
その場で慌てて
119番に通報したんですよ」
「へえ、
ヒロシくんが通報したんだ」
「はい」
「偉いね。
よくパニックにならず、
冷静に対応出来たね」
「いや…」
ヒロシくんは持ち上げられて、
少し嬉しそうな顔をした。
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